直傳靈氣概要

俯瞰

直傳靈氣は体を癒すことに重点が置かれています。 これは、そもそもの出発点が代替医療だったわけで治療行為として霊気を実践してきた歴史があるので当然だと言えます。

林忠次郎が大阪でも靈氣療法を伝授していた当時、直傳靈氣継承者・山口千代子の叔父 菅野和三郎は、郷里石川県に住む親類や地元の有力者を大阪に呼び寄せ、積極的に靈氣療法の普及に努めていました。親戚達は靈氣療法を地元で積極的に行いました。そういった経緯から、山口千代子の周りには靈氣の実践者が大勢いました。

直傳靈氣は、臼井甕男 → 林忠次郎 と伝わった霊気の技法を、当時靈授を受けた親類と検証しながら、なるべく当時のままを再現した、林忠次郎直傳の靈氣です。

一方、西洋レイキは、レイキの礎であった当時の日本の思想・文化などは省かれたり、薄まったりして伝わっています。海外で広まったため、海外の思想などを取り入れ、技法も拡張し進化しているのが特徴です。

直傳靈氣は

不調箇所のケア

家族が重い病気に罹っていて、多少なりとも苦痛を和らげて上げたい

悪癖・悪習を何とかしたい

お酒やタバコの量を減らしたり、やめたりしたい

伝統

日本の由緒ある伝統技法を学びたい

西洋レイキは

色々な対象

場所、モノ、ペットにも使いたい
未来・過去など時空を超えたヒーリング

浄化

チャクラ・オーラを浄化したい
プロテクションや浄化をしたい

ハイヤーセルフ

ハイヤーセルフや高次の存在と話したい

西洋レイキと違う点

スタンダード・ポジション
西洋レイキでは、決められたポジションに沿って順番に手を当てるスタンダード・ポジションを重視しています。ヒーリングの要素が強いため、手の圧やタッチの質にも気を配り癒やしの雰囲気を大切にします。直傳靈氣には、スタンダード・ポジションはありません。病腺のある場所または、病腺の出やすい場所に手を当てます。癒やしよりも施術が主眼です。手はぴたりと当てます。
シンボル・マントラ
西洋レイキのシンボル・マントラは直傳靈氣では印・呪文といいます。シンボル・マントラは好きなだけいくつでも入れて良いというのが一般的ですが、直傳靈氣では、ここぞという時に一度だけ入れます。一度も入れない場合もままあります。西洋レイキは、西洋にあった以上は、キリスト教に代表される西洋の思想の影響を受けているために、人間は非力な存在であるから、シンボルやマントラという「自分を救済するためのツール」のお助けを借りる、いわば他力本願です。

一方、靈氣は、「言霊」という考え方はじめ古神道や仏教、儒教、茶道華道柔道剣道などの「道」とつく教えなどの日本の文化思想が生きています。人間は誰もが高次の存在とつながっている、言霊である呪文や印も、普段自分たちが大切に扱っている日本語の延長線上にある。自分にないものを持ってきて力をつける他力本願ではなく、自分に内在しているちからを発揮する自力本願な発想です。

オーラ・チャクラ・丹田
西洋レイキでは、ポジションとチャクラは密接な関係にあります。直傳靈氣には、オーラに類する概念はありません。チャクラについては丹田は意識します。

直傳靈氣の丹田とは下丹田のことを指します。下丹田とは、おへその下より指三本とよく言いますが、おへそのように身体の表面にあるのでは無く、身体の中心つまり腸の辺りを指します。

対象
西洋レイキでは、動物・物・場所といった人以外のものに対する技法も確立しています。さらに、過去や未来へのレイキも可能です。直傳靈氣は施術が目的なので、対象は人のみです。動物に使う暇があったら人に手を当てなさいと千代子先生は仰ったそうです。当時の日本には「ペットは家族」という概念はまだ無かったからです。ただ、家畜には靈氣をしていたそうです。というのも、家畜は生計上大切な存在だったからです。
遠隔
西洋レイキでは、人形や自分の身体の同じ場所を相手に見立てて送る、複数の人へ同時に送る、不特定多数の人に一斉遠隔をする、タイマーをかけてコールインで受け取る、などが可能です。直傳靈氣では、基本的に一度に一人ずつしか送りません。何故なら相手の不調を癒やすことを目的に遠隔を送っている以上、相手の病腺を感知し経過を感じ取る必要があるからです。同時に複数に送るとどれが誰の病腺か判別するのが難しいからです。

同様に、自分の身体の同じ場所を相手に見立てることもしません。自分の病腺なのか、相手の病腺なのか紛らわしく適切な施術が出来ないからです。

不特定多数の人に一斉に送らないのは、その人達全員の身体のどこにどんな病腺があるのか把握するのが不可能だからです。

また、直傳靈氣では人形は使いません。何故なら、誰かに急に遠隔を送らなければならない状況になった時に、人形を使わなければ遠隔ができないのであれば、日々人形を持ち歩かないと対処できないからです。

千代子先生の時代は、直接手を当てて靈氣をかけていたそうで、遠隔はほとんどしなかったそうです。遠隔を送ったのは、戦場にいる家族のためがほとんどだったそうで、病腺があれば生きているとホッとしたそうです。
現代は家族であっても生活時間が違ったりして、直接長時間手を当てることが難しいので、遠隔が活躍する場面が増えています。

時間
西洋レイキでは基本的に、全体の施術時間を決めて、その時間内に施術は終了します。ですから一定時間毎に順にスタンダード・ポジションに沿って手を当てていくことになります。直傳靈氣では、時間よりも病腺を優先します。たとえば、一時間の約束で靈氣しても、病腺があれば更に靈氣を続け、基本的には病腺が消えるまで靈氣します。西洋レイキのようにあちこち手を動かしません。それでは病腺が消える前に手を動かすことになってしまうからです。

 

直傳靈氣と西洋レイキの違いが気になります」もご覧下さい。

直傳靈氣に特徴的な技法

体液やリンパ液が滞る事により、筋肉の周りに集まってきた老廃物が少しずつコリとしてたまったものが病腺になります。コリはCTやMRIには写りませんが、確かに存在しています。靈氣を学ぶと、そのコリが病腺として感知できるようになります。

人間の身体は、一カ所だけが悪いということはなく、悪いところは分散して持つという性質があります。これは、一カ所に集め巨大化したものを浄化するよりも、数カ所に分散して浄化する方が効率が良いためです。靈氣は、その浄化力に力を与えます。

手を当てることで、病腺は刻々と変化していきますが、その変化のグラフの感知が、効果的な施術の目安となります。 病腺を的確に捉えさえすれば、靈氣によってそれが消えていくのを確認できます. この経験により確実に病腺を捉えられるようになり、今後もより効果的な靈氣を行えるようになりますし、 自信を持って施術にあたることができるようになります。

病腺は、手のひら→手首→肘→肩→耳と強さに応じて上に登って感知されます。一方、西洋レイキのヒビキは、手のひらだけで強さを感知するのが一般的です。

名前を聞くとぎょっとしますが、実際に血液を抜き取ったり交換するような技法ではありません。この技法は、軍医でもあった林忠次郎先生が考案されたものと伝えられています。具体的には、頸椎から仙骨・足首までの、血液のめぐりをよくする手当の技法で、本来は施術の最後に靈氣を身体に浸透させるために行われていました。

肉体の疲れを取り除き、元気づけ、リフレッシュさせる効果があります。

新しい血を作る造血幹細胞は、背骨(=脊椎)、胸骨、肋骨、骨盤など、体幹の中心部分にあるので、血液交換法という名前も、単に血の巡りをよくする以上の効果があるのではないかと思います。

直傳靈氣でいう性癖とは、心の癖のことを指します。トラウマ、カルマ、ストレス、プレッシャー、不安が強い、朝起きられない、アルコール、タバコに依存しやすい、引きこもり、食べ過ぎ、便秘など、本人または周囲が問題視している事柄が心身の状態として現れたものです。

性癖治療とは、それらの心の癖を抱えて弱っている人間の魂に直接語りかけます。言霊により魂本来の使命を思い出させ、改善していく、直傳靈氣独特の技法です。速効性のあるものではありませんが、根気よく続けることで、じわじわと結果があらわれてきます。遠隔を使って行うことも可能です。

言葉そのものに力があるという考え方です。この考え方は、古今和歌集の仮名序にもある通り、古来からの日本の伝統的な考え方で、日本人のDNAに深く刻み込まれています。靈氣も例外ではありません。呪文・五戒・性癖治療などにその考えが見られます。

近年では海外でも、日本語でなければ言霊本来のパワーが発揮されていないと感じ、日本語の音のまま呪文や五戒を唱える方が増えています。

読み方は、「きょうだけは、いかるな、しんぱいすな、かんしゃして、ぎょうをはげめ、ひとにしんせつに。」です。

西洋レイキでは、五戒は重視しておらず、教えないところもあります。

五戒は、日本人ならごく当たり前の、目新しくもない、当然のことのように見えます。でも、実はそんなことこそが、人間のこころを安定させ、精神性を高める、と臼井先生は考えました。怒ってばかりいたり、心配してばかりいては、レイキの出る量も少なくなってしまいます。自分の精神性を高めていくことは、レイキに限らず、非常に大切なことです。 物事に感謝して、自分のなすべきことを行うことも大切です。 レイキを学んだ人にとっては、積極的に人にレイキを行っていくこともまた、最高の親切となります。人に親切にすることが自分の成長につながる、日本人なら当然の心得ですが、それが靈氣の中に流れています。

「言霊」で書いた通り、古くからある日本の考え方では、言霊を重視しており、直傳靈氣でも五戒そのものにパワーがあると考え、五戒を声に出して唱えることを大切にしています。五戒を唱えることによって、波動が上がり靈氣の流れが良くなると考えています。直傳靈氣セミナーでは、会場の上座に五戒の掛け軸を掛け、霊綬の前に必ず五戒を奉唱します。

臼井先生は明治天皇御製の和歌から100首を選び、五戒と共に当時の靈氣療法において重要な要素だと位置づけていました。

直傳靈氣研究会では現代人の思想的な多様性を尊重し、御製の奉唱については指導していませんが、靈氣の取得に当たって御製奉唱の実践は必ずプラスになると考えています。

臼井靈氣療法学会発行の「靈氣療法の栞」にも、「臼井靈氣療法は第122代明治天皇のお作りになった数多くの和歌の中から、百首を選出して心の糧とし、肇祖臼井先生の教えである五戒を日々守り、自己の心身の錬磨向上を計りながら、自他の健康維持と、家庭・社会・国家・世界の平和と繁栄と幸福を増進させることを目的としています」とあります。